日本酒を選ぶ際に、聞いたことのある銘柄を購入しても、飲んでみたら想像していた味と違ったなんてことも少なくないはずです。
ひとくちに「日本酒」といっても原材料や使用するお米の削り具合などによって複数の種類に分類されます。
種類が分かれば、ラベルから好みの日本酒を選べるようになるでしょう。ぜひ今回の記事を読んで、今後の日本酒選びに役立ててください。
- 白鶴酒造オンライン編集部
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開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。
「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!
日本酒の種類
日本酒は使用する原材料や製造方法によって「特定名称酒」と「普通酒」の2種類に分類されます。
それぞれの違いについて解説していきます。
特定名称酒
使用する原材料や精米歩合、造り、できたお酒の香味・色沢など、一定の条件を満たした日本酒のことを特定名称酒と言います。
精米歩合とは
精米歩合とは、原材料の米をどれだけ磨いたかを表す数値のことです。
例えば「精米歩合60%」と記載されている日本酒は、元の米を40%磨いて60%が残った状態を表します。
精米歩合の数値が低いほど、より磨かれた米を利用しており、雑味が少なく飲みやすいのが特徴です。
食用の米の精米歩合は一般的に90%ほどで、日本酒に比べて磨いている量は少ない傾向にあります。
日本酒に使用する米を多く磨く理由は、外側に含まれるたんぱく質や脂肪などを削るためです。
雑味の原因になる成分が取り除かれるので、磨くほど香りや成分が際立ちます。
普通酒
特定名称酒以外の日本酒を「普通酒」と呼びます。
原材料や精米歩合に決まりがないため、比較的リーズナブルな値段で販売されているのが特徴です。
特定名称酒とは?種類の見分け方
特定名称酒のなかでも、原材料や精米歩合によって種類が分かれます。
米と米麹のみが原材料のものや醸造アルコールを加えたもの、さらに精米歩合によって6つに分類されます。
ここでは「米と米麹が原材料の日本酒」と「米と米麹、醸造アルコールが原材料の日本酒」に分けて解説していきます。
米と米麹が原材料の日本酒
米と米麹が原材料の日本酒は精米歩合によって以下の3つに分類されます。
- 純米酒
- 純米吟醸酒
- 純米大吟醸酒
順番に見ていきましょう。
純米酒
米と米麹だけで造られており、純粋に米だけで造られた日本酒なので純米酒と呼ばれています。
純米酒に使用する米の精米歩合は特に指定されていませんが、麹米(米麹の原料となる米)の使用割合が全白米重量の15%以上と定められており、香味・色沢が良好なものに限るとされています。
コクや旨味のある味わいと、炊きたてのご飯を連想させるような、ふくよかな香りが特徴です。
冷酒でも美味しい純米酒ですが、常温〜熱燗にして飲むことで、より米の旨味を感じられるでしょう。
純米吟醸酒
純米酒のなかでも、精米歩合60%以下の日本酒を純米吟醸酒と呼びます。
通常よりも低い温度で長時間発酵させる「吟醸造り」を採用しており、吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りがします。
米の旨味と吟醸香のバランスがとれた日本酒で、大吟醸酒と比較すると香りが控え目なものが多く、「味吟醸」と呼ばれることもあります。
食材の味を引き立てるので、食事と一緒に飲むのがおすすめです。
純米大吟醸酒
純米吟醸酒よりもさらに削った米(精米歩合50%以下)を使用した日本酒を純米大吟醸酒と呼びます。こちらも通常より低い温度で長時間発酵させる「吟醸造り」を採用しています。
純米大吟醸酒と大吟醸酒は、特定名称酒のなかで最も精米歩合の数値が低い日本酒です。
精米は米が割れないように時間をかけて、周りを削ります。
精米にかける手間暇が最もかかる純米大吟醸酒は、値段も高価なものが多い傾向にあります。
一般的に米を削るほど華やかな香りが造られやすいことから、純米大吟醸酒は米の旨味を感じながら、純米吟醸酒よりも華やかな香りが楽しめるのが特徴です。
米と米麹の原材料に醸造アルコールを加えた日本酒
米と米麹が原材料の日本酒に、醸造アルコールを加えた日本酒は精米歩合によって以下の3つに分類されます。
- 本醸造酒
- 吟醸酒
- 大吟醸酒
醸造アルコールはサトウキビなどを原料にした無味無臭の蒸留酒で、発酵末期のもろみに加えることで日本酒の香りが際立ち、すっきりした味わいになります。
特定名称酒の場合、添加できる醸造アルコールの量は、使用する白米の重量のうち10%までと決められています。
本醸造酒
精米歩合70%以下の米や米麹、および醸造アルコールを原料として造られたお酒のことを本醸造酒と呼びます。
麹米の使用割合が全白米量の15%以下、香味・色沢が良好であることが要件として定められています。
醸造アルコールが加わることで、純米酒よりもバランスのとれた味わいになります。
甘くなりすぎず、爽快な味わいを楽しめる日本酒です。
吟醸酒
吟醸酒とは精米歩合60%以下の米や米麹、および醸造アルコールを原料として造られた日本酒のことを言います。
通常よりも低い温度で長時間発酵させる「吟醸造り」を採用しており、麹米の使用割合が全白米量の15%以下、香味・色沢が良好であることが要件として定められています。
吟醸香と呼ばれるフルーティーな香りがし、純米吟醸酒に比べて雑味が抑えられスッキリとした味わいが特徴です。
大吟醸酒
吟醸酒よりもさらに削った米(精米歩合50%以下)を使用した日本酒を大吟醸酒と呼びます。
こちらも通常より低い温度で長時間発酵させる「吟醸造り」を採用しています。
純米大吟醸酒と同じく、特定名称酒のなかで最も精米歩合の数値が低い日本酒です。
醸造アルコールが加わることで華やかな香りと爽快な後味を楽しめます。
特別純米酒・特別本醸造酒の「特別」とは?
特別純米酒・特別本醸造酒に含まれる「特別」の意味と一例を紹介します。
特別がつく理由
国税庁のホームページでは「特別」がつく日本酒について、精米歩合が60%以下または特別な製造方法で造られた香味と色沢が特に良好なものと定義しています。
ただし、特別な製法については明確な基準が設けられておらず、メーカーによって様々なこだわりが見られます。
特別なこだわりの一例
具体的に「特別」がつくお酒は、どのようなこだわりがあるのかを見てみましょう。
白鶴酒造の「特撰 特別純米酒 山田錦」は、精米歩合が70%の純米酒ですが、酒米の最高峰である兵庫県産山田錦を100%使用しており、この米へのこだわりから「特別純米酒」を冠しています。
飲みやすさでおすすめの日本酒
飲みやすい日本酒の特徴について紹介します。
精米歩合が高い日本酒は飲みやすい
精米歩合が高い(=精米歩合の数値が小さい)日本酒ほど、雑味が少なくて飲みやすい傾向にあります。
お酒のコクを出すために、あえて精米歩合の低い日本酒を製造するメーカーもありますが、初心者の方は、お米をよく磨いた透明感のある日本酒が飲みやすいのでおすすめです。
白鶴の「大吟醸」は精米歩合50%のお酒で、フルーティーで爽やかな香りと料理に合わせやすい淡麗な味わいが特長です。
アルコール度数の低い銘柄は飲みやすい
アルコール度数の低い日本酒ほど、口当たりが軽いので飲みやすい傾向にあります。
一般的な日本酒のアルコール度数は13〜15%なのに対して、白鶴酒造の「淡雪スパークリング」は5%です。
お米由来のすっきりした甘味とさわやかな酸味が炭酸のしゅわしゅわ感と一緒に口の中に広がり、女性からの高い人気を誇ります。
甘口の日本酒は飲みやすい
飲みやすさで日本酒を選ぶなら、口当たりがやさしい甘口がおすすめです。
ラベルに記載されている日本酒の甘さ辛さを表す日本酒度を見れば、試飲せずとも甘口の日本酒を選べます。
一般的に日本酒度のマイナスの値が大きくなるほど甘口になるので、好みの甘さを選びましょう。
白鶴の「Hakutsuru Blanc」は日本酒度が-50と甘口ですが、酸味もあり、アルコール度数も8%と低い目で飲みやすいタイプの純米酒です。日本酒ビギナーや幅広い食事とのペアリングにぴったりの日本酒です。
ラベルから自分に合った日本酒を探そう
いかがでしたか?
日本酒の種類について、ご理解いただけたかと思います。
日本酒にチャレンジしてみたい初心者の方や、試飲なしで日本酒を購入する方はラベルの情報の読み取り方を学んでおくと、よりお好みの日本酒に出会える可能性が高くなります。
ピックアップ商品
11年連続モンドセレクション金賞受賞の大吟醸。
フルーティーでさわやかな香りと淡麗な味わいが特徴です。
どんな料理とも相性が良く、はじめて日本酒を飲む方にもおすすめです。
お米から生まれたやさしい味わいのスパークリングの日本酒。
ひと口飲むと、すっきりした甘味とさわやかな酸味が、炭酸のしゅわしゅわ感と一緒に口の中に広がります。
ほっと一息ついたときやゆっくりしたいときにおすすめです。
Hakutsuru Blanc (ハクツル ブラン) 720ml
お米の甘味広がるAlc.8%のフルーティーで軽やかな純米酒。
通常の日本酒には含まれない、柑橘系の香りが特長です。
爽やかでしっかりとした酸味は、洋食の濃厚な味付けと好相性です。
白鶴オンラインショップではあらゆる種類の日本酒を販売しています。
ぜひ商品詳細やラベルを見て、お好みの日本酒を探してみてください。