日本酒は種類や温度、割り方の違いでさまざまな味わいを楽しめるお酒です。
美味しく飲むための3つのポイントや、おちょこで飲む際のマナー、初心者にもおすすめのアレンジ方法などをご紹介します。
水割りやジュース割りなど、ぜひその日の気分に合った日本酒の飲み方を楽しんでみてください。
- 白鶴酒造オンライン編集部
白鶴酒造が運営する「白鶴オンラインショップ」の編集部。
メンバーは研究開発と商品開発を経験した2名で構成。
開発担当時に得た知識を活かして、日本酒のちょっとした知識や楽しみ方、季節にまつわる情報をご紹介します。
「日本酒に興味はあるけれど、なんだか難しい~!」という声を少しでもなくすべく、分かりやすい情報を発信していきます!
日本酒の基本的な飲み方
まずは、日本酒の基本的な飲み方から確認していきましょう。
日本酒を美味しく楽しむためのポイントもご紹介するので、これから日本酒に挑戦する方もぜひ参考にしてみてください。
日本酒を美味しく飲むための3つのポイント
日本酒を最後まで美味しく楽しむためには、以下3つのポイントをおさえておきましょう。
①一口ずつ風味を感じながら飲む
②「和らぎ水」と交互に飲む
③日本酒に合わせておつまみも用意する
日本酒は、少しずつ口に含み、香りや味わいを楽しむ飲み方がおすすめです。おちょこで飲むと一口で飲み切ってしまいがちですが、ちびちびと口に含んで口の中に広がる香りと味を感じてみてください。
また、日本酒ばかりだと肝臓に負担がかかってしまうので、合間に和らぎ水(日本酒を飲む際に一緒に飲むお水のこと)やおつまみも挟みましょう。
意識的に和らぎ水やおつまみを取ることで、二日酔い防止のほか、口の中を一旦リセットすることができて日本酒の美味しさを感じやすくなるというメリットもあります。
初心者も挑戦しやすい日本酒の選び方・飲み方
「日本酒はアルコール度数が高くて辛いお酒だから苦手」という方もいると思いますが、実は、日本酒の中には超甘口と呼ばれ、アルコール度数10%以下のお酒も存在します。
超甘口の日本酒は、ソーダ割りや氷を入れたロックで飲んでも美味しいので、カクテルを飲む感覚で楽しむことも可能です。
日本酒のアルコール感や辛口が苦手という方は、アルコール度数が10%以下、日本酒度が-20以下の超甘口がおすすめです。
日本酒は温度の違いで味の変化を楽しめる
日本酒は「冷やしてよし、温めてよし」のお酒で、ビールやワインなどの他のお酒にはない魅力を持っています。
温度帯ごとにそれぞれ呼び方があり、飲む温度によって風味やのど越しが変わる点も魅力の一つです。
さまざまな温度で飲んでみて、自分好みの飲み方を見つけてみましょう。
冷酒
冷えた日本酒のことを「冷酒」といいますが、冷酒は温度によってさらに「雪冷え」「花冷え」「涼冷え」の3つに分類されています。
「雪冷え(5℃前後)」や「花冷え(10℃前後)」のようにしっかりと冷やしたお酒は香りが抑えられ、キリっとシャープな味わいになります。
「涼冷え」は冷蔵庫から酒瓶を出してしばらく経った状態の温度帯(15℃前後)であり、香りの華やかさが引き立つので、爽やかで香りの高い大吟醸酒や吟醸酒、生酒、生貯蔵酒などがおすすめです。
冷や(常温)
「冷や」は、温めも冷やしもせずそのまま飲む「常温」の日本酒のことで、冷やしたお酒の「冷酒」とは別物になります。
大体20℃~25℃前後の温度で、口に含むと少し冷たく感じます。
常温で飲むと日本酒本来の味が分かりやすいと言われているので、長期熟成した純米酒などを味わいたいときにおすすめの飲み方です。
ぬる燗
日本酒を温めて飲むことを「燗(かん)」と言いますが、冷酒と同様に温度帯ごとに、「ぬる燗」、「上燗」、「熱燗」の大きく3つに分類されています。
その中で「ぬる燗」は大体40℃前後に温めて飲むことで、まろやかさやお米の香り、旨味が引き立ちます。
お米の甘みや香りを堪能したいときにおすすめです。
上燗
ぬる燗よりも高い温度で飲むことを「上燗」と言います。
徳利やおちょこを持つときにやや熱さを感じる温度(45℃前後)で、一般的には熱すぎない上燗が飲み頃で美味しいと言われています。
酒の香りが引き締まり、味に柔らかさと後味のキレが感じられます。
熱燗
上燗よりも高い50℃前後で飲むことを「熱燗」と言います。
徳利から湯気がたち、徳利やおちょこを持つと熱く感じられる温度です。
上燗よりもシャープな飲み口になるため、辛口が好きな方におすすめです。
ただし、熱すぎると味と香りのバランスが崩れてしまうので注意してください。
日本酒を飲むときに役立つ基本マナー
日本酒には、注いでもらう側「受け手」と相手に注ぐ側「注ぎ手」それぞれにマナーがあることをご存知でしょうか。
家族や友人と飲む際は問題ないかもしれませんが、ビジネスシーンなどでは正しい飲み方や注ぎ方の知識が必要な場面も出てくるでしょう。
ここでは、知っておくと役に立つ日本酒のマナーについてご紹介します。
受け手のマナー
お酌を受けるときは、おちょこやグラスは手に持っておくのがマナーです。
盃に残っているお酒を一口飲んでから、盃の下に手を添えて両手で差し出しましょう。
お酒を注いでもらった盃は、そのままテーブルに置くのではなく、口を一度つけてから置くのが礼儀です。
注ぎ手のマナー
お酌する際は、徳利を右手で持ち、左手は下に軽く添えましょう。
徳利が盃に触れないよう注意し、8分目くらいまで注いでください。
注ぎ終わりは、徳利の注ぎ口を手前に軽く回して上に向けるとお酒が垂れにくく美しい所作に見えます。
やりがちな日本酒のNGマナー6選
続いて、日本酒を飲む席でついやってしまいがちなNGマナーについてもご紹介していきます。
ただし、「NGマナーだから絶対にやってはいけない」というわけではありません。
その場のフォーマル度にもよるので、状況を見て臨機応変に対応しましょう。
覗き徳利
「覗き徳利」とは、まだお酒が残っているか確認するために徳利の中をのぞくことです。
これは品性のない行為と見なされてしまうので、うっかりやってしまわないように気をつけてください。
振り徳利
徳利を振ってお酒の残りを確認しようとする行為も原則的にはマナー違反です。
熱燗の場合はお酒が冷えてしまう原因にもなるので注意してください。
陶器製などでお酒の残量が見えない場合は、おちょこやグラスに注いで確認する方法を取りましょう。
併せ徳利
複数の徳利に残っているお酒を一つの徳利にまとめて入れてしまう行為も、日本酒を飲む際のマナーとしては不適切です。
徳利が何本も置いてあると片付けたくなる気持ちはわかりますが、日本酒の温度や味に影響を与えてしまうため気をつけてください。
逆手注ぎ
「逆手注ぎ」とは、手のひらを上に向けて注ぐことで、失礼な行為に該当します。
相手にお酒を注ぐときは、右手の甲が上にくるように徳利を持ち、左手を下に添えましょう。
逆さ盃
おちょこを逆さにしてテーブルに置く「逆さ盃」もマナー違反です。
もうこれ以上は飲まないという場合は、相手が注いでくれそうになったタイミングで丁重にお断りするか、注いでもらった後に一口だけ口をつけてテーブルに置いておきましょう。
おちょこになみなみ注ぐ
おちょこやグラスにお酒をなみなみと注いでしまう行為も不適切です。
喜んでもらおうと思っての行動だったとしても、盃になみなみと注がれたお酒は飲みにくく、こぼしやすいので避けた方が無難です。
ただし、桝の中にグラスを置く「盛りこぼし(あるいは「もっきり」)」の注ぎ方は日本酒の飲み方として存在するので、なみなみと注ぐ行為が全てマナー違反というわけではありません。
日本酒をもっと楽しめる飲み方・アレンジ法
ここでは、ストレート以外で日本酒を美味しく楽しめるアレンジ方法についてご紹介していきます。
日本酒を飲み慣れていない方も、いつもと違う味わいで楽しんでみたいという方も、ぜひ挑戦してみてください。
基本的なアレンジ方法
日本酒の飲み方は「冷酒」や「燗酒」だけではありません。
さらにもうひと手間加えて、自分好みの飲み方を見つけてみましょう。
日本酒ロック
グラスたっぷりに氷を入れ、そこに日本酒を注いで飲むのが「日本酒ロック」です。
スッキリとした飲み口が特徴で、お酒だけでなくグラスも冷やしておくと氷が溶けにくくなるのでおすすめです。
コンビニやスーパーなどで売っている透明度の高い氷を使うと、日本酒の美味しさがより一層際立ちます。
お酒を注ぐ量の目安はグラスの6分目あたりです。氷が溶けてくるとアルコール度数が下がるので、日本酒初心者の方にもおすすめの飲み方です。
また、ライムを搾って添えればサムライロックというメジャーなカクテルになり、日本酒特有の香りが薄まるので、普段日本酒を飲まない方にもおすすめです。
日本酒の水割り
日本酒を飲み慣れていない方には、日本酒の水割りもおすすめです。
割合は「日本酒8:水2」が目安で、日本酒特有の香りや味が和らいで口当たりがまろやかになります。
ストレートよりもアルコール度数が下がって飲みやすくなるので、お酒を長く楽しみたい方にも試してみてもらいたい方法です。
ただ、水割りは香りや味わいのバランスが崩れやすいので、自分に合うお酒と分量を見つけてみましょう。
日本酒のソーダ割り
あまり聞きなれないかもしれませんが、日本酒のソーダ割りもおすすめの飲み方です。
ソーダのスッキリした爽快感が、日本酒特有の重厚感を軽くして飲みやすくしてくれます。
グラスに氷をたっぷり入れたら、「日本酒1:炭酸水1」の割合から作り始めて、自分の好みの比率に調整してみてください。
すだちや柚子など、柑橘系の果汁をしぼって味変してみるのも良いでしょう。
その他のアレンジ方法
もっと違う飲み方で日本酒を楽しみたいという方は、「お茶割り」や「フルーツジュース割り」といったカクテルにして飲んでみるのはいかがでしょうか。
お茶割り
日本酒をさっぱりと味わいたいときは、「日本酒1:緑茶1」の割合で飲むお茶割りもおすすめです。
アルコール度数を下げることもできるので、お酒が弱い方でも飲みやすくなります。
あらかじめ緑茶を製氷機で凍らせておいて、日本酒ロックのようにして飲む方法も味わいの変化を楽しめます。
フルーツジュース割り
日本酒とフルーツジュースの組み合わせが想像つかない方もいるかと思いますが、ライムジュースと合わせる「サムライ」や、ブルーキュラソーとレモンジュースを合わせて作る見た目も味も爽やかな「スカイブルー」といったように、日本酒カクテルはたしかに存在します。
こちらは、まだ日本酒に慣れていない方や、甘めのお酒が好きな女性におすすめの飲み方です。
さまざまな飲み方で日本酒をもっと楽しもう
今回の記事では日本酒の美味しい飲み方、割り方、マナーなどをご紹介しました。
普段から日本酒を飲む方は、今回ご紹介した飲み方を少し意識してみるだけでまた違った味わいを楽しむことができるでしょう。
上司や取引先の方と一緒に日本酒を飲む機会のある方は、マナーを知っているだけで上品に見え、好感度も上がるかもしれません。
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